ほんとうの長文駄文。

27歳。エッセイを出すのが夢なので、その練習に。

雪だるま式に好き。

年を重ねるごとに好きなものは変わると言われるけど、私は全然変わらない。

途中途中に途切れたりするけど、結局ずっと好き。好きだったものが嫌いになるという経験はほとんどない。

しかも子供の頃と同じペースで、周りの友達と比べるとなかなかのハイペースで、好きなものが増え続ける。雪だるま式に。

のろのろしてる音楽があまり好きじゃなかった。のろのろっていうと語弊があるか。リズムが比較的一定で、一定というかあまり大きな波がなくて、こそこそっと歌詞を伝えられる音楽。一撃で心臓を射抜かない、どちらかというと気持ちをなんとか穏やかにしようと働きかけてくれる曲。

長く長く形容したけど、くるりを聞くようになったってことです。チャットモンチーを聞くようになったってことです。色々同じ文に書くと、それぞれのファンの方に怒られそうやけど、まぁ誰も読んでないけど、ゲスの極み乙女。だけじゃなくてindigo la endも好きになったということです。

スーパービギナーだからくるりの東京を聞きながら、ジーンとして寝入るのです。

キラキラしたアイドルソングや、自分らしく生きていこうと励ましてくれるベテランバンド。後悔なんて絶対しない歌姫を。日本のJ-POPの一番ど真ん中をランキング上から順に好きだった私の、とても大きな大きな変化。25歳の私でさえ、きっと信じられない。知りもしないのに好きだの嫌いだの、絶対言ったらいけない人種だ、私は。好きはたくさん言ってもいい。嫌いはよく考えてから。

これが大人の階段か。

私は27歳になりました。

26歳。西加奈子さんと飲みたい。西加奈子さんになりたい。

好きな人の思考には出来る限り近づいてみたい。

前述のSexy Zone中島健人くん、ケンティーちゃんの時もそうだった。「黒服物語」でなぜかドーンとケンティーちゃんの世界に落っこちてから、寝る間も惜しんで動画を漁り、過去のDVD作品を買い漁り、インターネットでエピソードや発言を検索しまくった。私たちは表向きの発言しかキャッチできないが、それでもいい、とにかく思考に近づきたい!とその一心で漁った。

そもそも私は誰かの世界に落っこちやすい性格である。1ヶ月前位からだろうか。今またどっぷりある世界に浸かっている。

それは作家の西加奈子さんである。
大好きだったラジオ「朝井リョウ加藤千恵オールナイトニッポン0」で度々出てくるお名前だったので、お名前だけは知ってはいた。年末から3、4ヶ月の間ありとあらゆる方のエッセイを狂ったように読み漁っていた時期があったのだが、そこで出会ってしまったのが西さんの「この話、続けてもいいですか?」である。
酔っ払い話や貧乏時代の話、成人は30歳にすべきだという主張などなど、声に出して笑える文章がギュギュッと詰まっている。というか、ぶっ飛んでいるな、西加奈子西加奈子と友達になりたい!西加奈子と飲みたい!西加奈子になりたい!!西加奈子の脳みそを見たい!!!(敬称略)
 
西加奈子さんへの思いが喉まできて、耳まできて、顔が真っ赤になって破裂するぅううう!!!というどうしようもない状態になり、気付いたら西さんの作品をAmazonでポチポチしていた。

今の私の本棚は西さん作品だらけである。気付いたら何も考えずポチポチしてしまう病気にかかっており、「黄色いゾウ」に関してはなぜか2冊買ってしまっている。ちなみに「黄色いゾウ」はまだ読んでいない。

直木賞受賞作の「サラバ!」はもちろん早く読みたかったが、自分を焦らして焦らして「まにまに」「ごはんぐるり」とエッセイを読んだ後、「ふる」「きりこについて」「漁港の肉子ちゃん」「うつくしい人」「舞台」「まく子」と6作品を一気に読み、昨日からいよいよ「サラバ!」に突入した。まだまだ読んでいない作品はあるのだが、なんとなく「もういいだろう。」という自分への甘さが出た。「サラバ!」を横目に自分を焦らすという意味のない焦らしプレーに、いよいよ我慢出来なくなった。そのプレーは誰に向けたものでもないし、誰にも公言していないし、いよいよ意味を見出せなくなった。だから自分で自分に「サラバ!」を読む権利を与えた。自分で閉めた門を自分で開けた。読み始めたら読み始めたで、「サラバ!」をずっとずっと読み終えたくない、という明らかに時期尚早であろうセンチメンタルな気持ちになってしまっている。あぁもういちいち面倒くさい。自分で自分が面倒くさい。

そして読んでも読んでも、西加奈子さんの脳みそに近付けているという実感はない。とはいえ、町でばったり西さんに遭遇することがあるかもしれない。万が一、億が一、何かの拍子で西さんとお酒を飲む事が出来るかもしれない。そんな事があれば出来るだけ具体的に西さん作品のここが好きなんですということを伝えて、西さんのあの笑顔を見たい。(私が人を褒める時にいつも心掛けているのが具体的である事である。自分だったらその方が嬉しいから、というチンケな理由であるがずっと実践しているから誰かに褒めてほしい。)その為に今の私がすべき事といえば、読者目線で知り得る西さんの情報を出来るだけ出来るだけキャッチしてその「億が一」に備えるということである。

自分の気持ちを素直に文章にすると、こんなに気持ちが悪いのかと今、驚愕している。だけど全部ぜんぶ本心だから仕方ない。好きなんだから仕方ない。思っちゃったんだから仕方ない。

私は本当に、どうしようもない根っからのヲタク気質である。

26歳。自己啓発としての「Sexy Zone」。

実は私は1年以上、Sexy Zoneが好きだ。
正確には中島健人くんが好きだ。
好きというか、本当に本当に尊敬している。

Sexy Zone、つまり年下のアイドルが好きだと言うと、結構な確率でバカにされる。いつまでそんなこと言ってるの、この年齢でジャニーズって一体何目線で好きなの、と呆れられる。
私は真顔で答える。「自己啓発」です、と。
流行りのビジネス書を読むよりずっとその効果があるんです、と。

中島健人くん、私はケンティーちゃんと呼んでいるが、ケンティーちゃんのプロとしての姿勢が好きだ。

演技の勉強の為に、舞台に学校にテレビ番組の収録に、とんでもなく忙しいスケジュールの中で、何本も何本もドラマを見ているところ。バレーのお仕事の前にはバレーの本を付箋いっぱいにして読み込むところ。

与えられた状況を全部全部利用して自分の糧にしていく姿に、とんでもないエネルギーを感じるし、眩しすぎてこちらの感情までブルブルしてくる。一瞬一瞬のチャンスを絶対逃すものか、0から100まで吸収してやるからな、という勢いにどうしようもなく心が突き動かされる。

もちろんルックスも、歌声やダンスを含めたパフォーマンスも、バラエティーで急に振られた時に対応できる頭の回転の良さも、大切に育てられてきたんだと分かる品の良い所作や棘のない発言も、全部全部好きだけど、一番好きなのはどうしたって仕事への姿勢だ。

アイドルという仕事だからというのもあるが、生活そのものを仕事に結び付けていて、尚且つそれは犠牲というよりは自発的なもののように見えるからごく自然で、なんというか、ケンティーちゃんのそのスタンスに私はものすごく憧れている。

そのぐらい夢中になれるものに出会って突き進んでいるケンティーちゃんに、それはそれは憧れているのだ。

自分とリンクさせるなんてそれは、それは本当におこがましいことだけれど、そうした時に自分の仕事への姿勢がケンティーちゃんのそれとあまりにかけ離れていて、より一層ケンティーちゃんの輝きが刺さるのである。

そんな私は昨日大阪城ホールへ行って、ケンティーちゃんの輝きを思う存分浴びてきた。 
一挙一動が「中島健人」で、息を吸う度にそれはもう「中島健人」で、胸がいっぱいで苦しくなった。
どんなドキュメンタリー番組を見るより、どんな偉大な経営者の自伝を読むより、私もこのままじゃいけないなぁと生きるモチベーションだかなんだかが上がった。これを自己啓発と言わず何と言うのだろう。

連休が明けても頑張ろう。
あの仕事も、この仕事も残したままだけど、好きになるまでやらないとプロにはなれない。今はまだ、この仕事が生活を、人生をかける仕事だなんて思えないけど、行けるところまで行かなくては。嘘でもそんな風に思った。

上司にも誰にも何を言われてもこんな風に思わないだろう。すごい効果。これだから「中島健人」からは目が離せない。



真面目が祟った相席居酒屋の夜。

相席する居酒屋さんに行ってきた。
彼氏のいない大学時代の友人A子と、彼氏のいない私で。

18時ちょうどの少し早い時間。
諸手続きを済ませ、(アプリのダウンロードやらなんやら。「このアプリのアイコン、誰かに見られたらどうしよう。」そればっかり考えていた。)いざ相席のお相手を待つ。
先に相席が始まった隣を見ると女性陣は20代後半といったところ、お相手は結構な中年風のおじさん。おじ様、ではなく、おじさん。

「男性の方が来られまーす。」

ぎく。来る。私たちの席にも来る。
おじさんじゃありませんように、おじさんじゃありませんように、せめておじ様でありますように。
私たちは息を飲む‥というような間も無く2人組の男性登場。

こんにちは。

自己紹介もなくするりと会話が始まる。
お相手は29歳と25歳の会社の先輩後輩コンビ。
見た目も爽やかでほっと胸をなでおろす。

たまたまA子とお相手2人の仕事の業界が同じだということもあり、仕事の話が弾む。弾む。

あっという間に時間が経ち、2軒目へ行くことに。ダーツバーだという。

入ったら鏡張りで赤を基調とした店内、「ニューヨークみたいやね」と4年前に一度行っただけのニューヨークを今も我が故郷のように勘違いしている私は、A子の耳元で囁き無視された。

改めて乾杯して仕事の話。
あれ、これ職場の飲み会やっけってぐらい各々が仕事の話をする。25歳はテーブルの下で携帯をいじっている。おい、見えてるぞ。

その後ついに好きなタイプの話。
上戸彩が好きだという29歳と、ナチュラルボーン可愛い木村文乃が好きだという25歳。チーンって音がどっかで聞こえる。2人の要素が我々には微塵もない。わざとかな。牽制されているのかな。

そんな話をしてメインイベントのダーツ。
ちなみに私は今まで一度もダーツという遊びをしたことが無い。本当に本当に一度もない。
男女ペアの対抗戦。対抗戦の設定を作っておいて罰ゲームもご褒美も決まっていないのだから、私たちがいかに盛り上がっていないかが分かる。

男性陣がまずは投げる。上手いのか、そうで無いのかもわからない。
次に私の番。3投ともが、刺さらず床に落ちた。やばい。冷や汗がジメっと全身に広がる。1番場がしらける女だ。私は手取り足取り教えてもらい、キャッキャするような、か弱いタイプの女ではない。誰も私にそんな役割を期待していない。絶対に次は的に刺さなくてはいけない。この決意を心に誓う。

すると隣のレーンで黙々と1人で投げ続けている男性が目に留まった。彼のダーツは早いスピードで、ズンっという大きな音を立て的に刺さっている。

彼だ。彼しかいない。救世主よ。
私は自分が投げる番以外はとにかく彼を観察。観察に次ぐ観察。彼の体勢を真似し、彼のダーツの持ち方を真似し、彼に合わせてダーツを放つ振りをする。素振りだ。中学時代の剣道部のスピリットが目をさます。メンッメンッ。
自分の番になれば素振りの感覚のまま、位置につき投げる。刺さる。嬉しい。この感覚、次の番まで忘れないようにしなくちゃ。また3人が投げている間、隣の彼に合わせて素振りを繰り返す。私の番。刺さる。安定して良い位置に刺さるようになってきた。「いいねぇ」。29歳の声。褒められた。もっと上手くなりたい。さぁ、素振りだ素振りだ。
私の番。投げる。とても真ん中に近い場所に刺さる。「ブルや!」ブル?よく分からないがまぁ、良いことなのだろう。やった。嬉しい。
私はその後も素振りの度にフォームを改善、高速のPDCAを回してどんどん真ん中に近い場所に矢を刺した。「いいねぇ」。29歳の声が心なしか乾いている。

8回順番を回し、試合が終わる。
なんと私は、4人の中で1番だった。

「すごいねぇ」。ついには目も笑っていない男性陣。
その時に気づいた。やってしまったのだと。最近は仕事も上手くいかなくてすっかり忘れていたけれど、そういえば私は真面目な性格だった。出来ないことを工夫して改善を続け出来るようにしていく、真面目な性格をしていた。それが私の長所だった。
でも今は違った。真面目が祟った。
そんなに高みを目指すシーンではなかったのだ。

その後なんとなく話す事も尽きてきて、ほどなくして解散した。2軒目もご馳走になったけど、連絡先も交換しなかった。

後に繋がる恋愛のタネみたいなのは手に入らなかった。
でも構わない。私は違うものを見つけた。

あぁ、早くまたダーツへ行きたい。
この感覚を忘れる前に。